稲盛和夫の実学
倒産したJAL(日本航空)を再生した京セラ創業経営者の稲盛和夫氏は、「あなた方は、今の状態では八百屋さんも経営できない。」と赴任の最初に言った。また、「経営は一部の経営トップのみが行うのではなく、全社員が関わって行うべきだ」という言葉も残している。
稲盛和夫氏が会計を自分で学び、「人間として正しいことを追求していく」という稲盛経営哲学をベースに「会計の原則」を確立できたことが、会社を堅実に発展させられた要因であると言う。
会計屋からは出てこない発想と原則は、例えば、京セラの減価償却は法定耐用年数によらない。設備の物理的、経済的寿命から判断して「自主耐用年数」を定めて行っている。具体的には、製造設備の耐用年数は税法で定められた年数の半分とし大幅に短縮している。当然に、税金を払ってでも経済価値に見合う償却手続きを原則としている。
クレイトン・M・クリステンセン教授は、「理論は状況に応じて賢明な選択するためのツールだ」「理論は何かを経験する前に、事前に起きることを説明してくれる」という言葉を残している。
What? 理論だけで解決できないことは多い。
パーキンソン教授によると、『1つの議案の議論に要する時間は、その議案にかかわる金額に反比例する』と言う。
①原子炉建設 ②従業員の自転車置き場建設 ③会議のお茶菓子代 ①2分30秒 ②45分 ③1時間45分 ③は情報収集のため次回に持ち越しの議案となる
Why? 巨額の資金取引を理解できるヒトには2種類ある 金持ちか否か 問題なのは、巨額の資金をお金として実感を感じられるどうか
何千円の交通費、数万円の接待費等のチェックは厳しいが、億円単位投資の失敗の責任はうやむやになってしまう。何億円の損という実感がないからである。
パーキンソン × アメーバ
関係者の嘆き 経営者はちょっとした損には厳しいのに、大きな損には寛容だ! 業績が大赤字なのに、社員は全然危機感がない そのわけは、ピンとこないからない
どうすればいいか? 会社のビジョン、会社の戦略、会社の業績への危機感 凡人、俗人にも実感できるようにすることが重要 赤字 = 給料を下げる 最高益 = 特別賞与を出す
アメーバの本質 本質はお金の問題ではない 自分がこの会社でどうしたいか充実した姿をイメージできるか 経営者が社員と将来像を共有できているかどうか
1998年頃に読んだ。会計だけでなく、技術だけもない。そこには、人間という全ての経営資源を扱う複雑怪奇な資源が横たわっている。半装置半労働集約の業界で管理をする立場には大きな衝撃を頂いた。
リエンジニアリングのための業績評価基準
アーサーアンダーセン&カンパニーのスティーブン・M・フォロニックが書いた本が日本語に翻訳されているのです。アーサーアンダーセン&カンパニーは、当時世界に7万人の職員を呈する世界5大会計事務所(BIG5)の一つであった。
エネルギー業界のエンロン社の粉飾会計が発覚した際に、自社の社内資料の破棄指示を出していたことが発覚。これが犯罪捜査における公務執行妨害として有罪判決を受け、これによって顧客を失い、解散に追い込まれた。倒産を経て、現在はアクセンチュアという名前でコンサル会社として存続しています。
1994年に発刊された本です。当時、34歳で製造業の経営管理室という社内部署で仕事をしていました。日本人が執筆していないと言う意味で、世界第2位だった日本経済は海外の研究対象となっていた。世界第1の米国の製造業との比較において、書き残されている。国力が凋落した日本では、俎上に載せて議論ができない。
単に、業務や事業のスクラップとビルト(破壊と再構築)だけで、世間では持ちはやされていた。しかし、そこには継続企業の原則があり、有機的な仕組みを考えることが一番重要な仕事があった。
今や当たり前のことですが、「マーケットイン」とい考え方を基本に述べられています。企業の外部から組織内部を見るという考え方に立っています。現場で仕事している立場からは「あっ、なるほどそうね」という気が付いた。そのような客観的な視点を持たねばならないことを知った。
従来、業績評価基準は経営の結果を示すものであって、経営上の改善点についてまでは教えてくれない。また、何故よい結果を示しているのか、その原因までは言及してくれない。よい状態が悪くなった時に、元の状態に戻すには、よかった時の状態、条件を把握しておく必要があります。考えてみれば、スポーツと同じではないのか?と思う。
振り返ってみると、ここがその後の仕事の原点だったように思う。

